藤の花
藤の花
藤の花・・・・・・・・・・・・高田敏子
きものの色が
少しずつ地味になってきたように
料理も淡泊なものが好きになった
「恋」という言葉も もう派手すぎて
恋歌も恋の詩も書けなくなった
古い恋うたのこころがわかり
私の恋もまた 深く ゆたかに
静かに 美しいものになっていった
藤の古木が 千条の花房を咲かせるように