癒やしのフリーランド

ひとこま写真と日常の随感


  

 人間とは
 鏡を見るようなものらしい
 覗いてみないとわからない

 風采の上がらない人が
 好人物だったり
 血色のよさそうな美肌が
 氷のようだったり
 ケアをする手で
 傷つけていたりもする

 信じきっていた なじみの顔に
 足下をすくわれることだって
 少なからず あるんだから

 人間は
 服装や名刺や おためごかしの
 言葉使いだけでは
 わからないっていうことさ
 ましてや 
 化粧や 靴や ブランド品なんかで
 
 鏡のように いろんな顔とつき合って 
 なるほどと 見直してみたり 
 失敗や 失望や 裏切りの繰り返しの中で
 どうにか 
 人を見る眼が養われる

 相手のよいところ
 足りないところが見えてくる
 本性としての
 立ち姿が浮かんでくるんだ
 
 そのあとに何が残るか 残らないか
 どんな類いの人でもいい
 何が浮かび上がってきてもいいんだが
 自分が確立されていなかったら
 はったりや  ごまかしも
 どんな輝かしい経歴や 
 一生積み重ねてきた 年輪さえもが
 突風の中の 紙切れに等しいよ

 それに 人を見る目があるだけではイメージ 1
 何にもならないね
 もっとだいじなことは
 それを 自分の鏡としなければ
 向こうから見れば 
 こちらも同じ穴の
 ムジナだっていうことなんだ

 人間とは 
 鏡を覗くようなものらしい
 仕掛けは簡単だが
 正真正銘の
 美人に写るのはむずかしいよ




(イラストはJustSystems製品につき複写禁止です)